昨年12月にいわき商工会議所の荒川さんから依頼がありました。

青年部で、青年部会員を対象としたSDGsについての勉強を計画しているのですが、講師をお願いできませんでしょうか?

いわき商工会議所

いわき商工会議所青年部

いわき商工会議所青年部 – iwaki YEG Facebook

打ち合わせはZoomで、細かいやり取りはメッセーンジャーグループで行いました。

  1. 日程、場所
  2. 講義内容の目的、希望内容と意見交換
  3. 作成資料案の確認と修正

打ち合わせメンバー

株式会社アルファの蛭田啓一さん、吉田裕さん、株式会社宮本米穀販売店の宮本敦史さん、そして商工会議所の荒川さん、皆川さんです。


大変お世話になりました。

最終的な開催方法は、オミクロン株によるまん延防止等重点措置期間のため、リモート開催に変更となりました。

当日の講義内容

  1. SDGsとは
  2. SDGsの取り組む必要性(社会の動向)
  3. SDGsと企業(経済活動)との関わり
  4. SDGsに取り組む場合の基本的な手順
  5. 経営者のSDGsの知識不足、経営姿勢から起きる問題点(ウオッシュ、トレードオフ)

また、事前打ち合わせでのご希望、意見交換の結果、日本経団連で進めている「Society 5.0 for SDGs」を踏まえた内容も盛り込むこととなりました。

多くの皆様に参加いただきありがとうございます。

既にお知り合いの方もいましたので緊張感はだいぶやわらぎました。

若手経営者にとっては現実問題

SDGsで言っている2030年、カーボンニュートラルで言っている2050年は、若手経営者にとっては現実問題。

SDGsに対する危機感や明らかに違う空気感です。

いわき市とSDGs

いわき商工会議所青年部さんでの講話ですので、自治体としてのいわき市とSDGsがどういう状況かをご報告しました。

※この内容はいわき市に直接確認しているわけではありません。外部情報を入手した結果の個人的な所感も交えて報告しました。

SDGsに関する全国アンケート調査

自治体別 地方創生SDGs達成に向けた取組状況(令和3年11月時点)に全国自治体別の回答結果があります。

SDGsに関する全国アンケート調査

こちらは2020年調査時と2021調査時とで福島県内で取り組んでいると回答した自治体の一覧です。

内閣府のSDGsに関する全国アンケート調査結果をもとに加工

いわき市はSDGsを「推進している」と回答しています。

個別の回答内容を抜粋してみました
  1. SDGsについて推進しているか → 4.推進している
  2. 自治体内部における普及啓発活動 → 1.推進していない

全体として「1」の項目が多いですね。

全体としてSDGsを「推進している」と回答しているのですが、個別には「推進していない」「取り組む予定はない」というおかしな内容です。

アンケートではSDGs担当部署は「総合政策部創生推進課」

いわき市のホームページにある総合政策部創生推進課の業務内容には「SDGs」「持続可能」「地方創生」などの記載はありません。

(ホントにSDGs推進部署なのかなぁと不安になります)

担当事務

  • (1) 人口ビジョン・総合戦略に関すること
  • (2) イノベーションコースト構想に関すること
  • (3) 構造改革特区・地域再生制度に関すること
  • (4) 定住・二地域居住に関すること

令和3年3月公表の「第2期いわき市創生総合戦略」

SDGsの記載はほとんどありませんでした。

第2期いわき創生総合戦略

このような状況ですが、国には「SDGsを推進している」と回答しています。

いわきの市議会議員にも何度かお声掛けしたのですが

Facebook等でお友達になっている方には、これまでSDGsのお知らせや勉強会のご提言をしてきました。

SDGsに関する具体的な発信はまだしていないようです。

  • 実質的には個別に活動している
  • 理念は尊重して市政に反映している
  • 今後どうしていくかを検討している

(やっていない時の回答あるあるをあげてみましたが)

市議会議員の皆さん がんばってください!!

なぜいわき市ではSDGsが浸透しないのかを考えてみました

  • 首長、自治体職員、経済団体(のトップ)、市議会議員それぞれの「SDGsに対する知識」「実施しないことによる影響への危機感」が低いため、SDGsに対する啓蒙活等や具体的取り組みがされていない。
  • 実態はSDGsの課題に対する活動や施策は個別にやっているという言い訳できる論理構成が出来上がっている。(あえて宣言しなくても)
  • 現役中には実施しないでほしい、逃げ切りたいという意識。(中高齢者の職員、経営者あるある)
  • ファーストペンギンにはなりたくない。(コストがかかるのを避けたい)
  • うちの会社には自分にはSDGsは関係ない。(他人事感でいっぱい)
  • 震災後の10年で自立することを忘れてしまった?

いわき市の未来予測をしてみる

代表的な内容をまとめてみました。

将来人口の予測(第2期いわき創生総合戦略資料より)

2030年の総人口は29万2千人、2060年の総人口は、17万3千人となり、人口は一貫して減少傾向で推移します。

2015年は1人の後期高齢者を生産年齢人口 4.1 人で支えていますが、2060 年には1人の後期高齢者を生産年齢人口 1.4 人で支えることになると推計されます。

「第2期いわき創生総合戦略資料」より

2060年の総人口は現在の約半分となる予測です。

15歳から64歳までの「生産年齢人口」は、2015年の207,708人が2060年には60%以上減少し77,320人となる予測です。

この人口減少と高齢化社会の傾向は日本全体の傾向と同じであり、今さら問題というべきなのかという考え方もあります。

なぜなら効果的な解決策がないからです。

これまでの当たり前が、未来では当たり前ではない

これらの予測数値を踏まえて、未来のいわき市(全国各地で)で起きるであろう様々な課題を行政・企業・市民が、対話を通じてマイナスの影響を減らす方策をいろいろと考えていくことが大切ですね。

いわき市とカーボンニュートラルについて

カーボンニュートラルって

  1. 温室効果ガスについて「排出を全体としてゼロにする」
  2. 「全体としてゼロに」とは、「排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする」
  3. 排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかったぶんについては同じ量を「吸収」または「除去」することで、差し引きゼロ、正味ゼロ(ネットゼロ)を目指しましょう、ということ
  4. これが、「カーボンニュートラル」の「ニュートラル(中立)」が意味するところ
  5. そのためには、まずは排出する温室効果ガスの総量を大幅に削減することが大前提

いわき市の現状と課題

  1. いわき市には新設の石炭火力発電所がある
  2. 小名浜港は石炭の国際バルク戦略港湾である
  3. 世界は脱化石燃料の方向性である
  4. 日本として2050年カーボンニュートラル、福島県も2050年カーボンニュートラル宣言をしている

今後いわき市は脱炭素・カーボンニュートラルの実現に、これまでしてこなかった脱炭素にかかる新たな活動が不可欠です。

  • カーボンニュートラル実現は自治体、企業、住民の使命になる。
  • 意識の進んでいる自治体(地域)→意識の高い住民は既に活動を開始している。
  • 対策が遅れるほど、地域間格差・企業間格差が拡大することに。

経団連のSociety 5.0とSDGsとの関わり

経団連のSDGsサイトより
  • Society 5.0の最新テクノロジーを活用し、人々の快適な暮らしとあらゆる社会課題の実現することは、SDGsの本質である「誰一人取り残さない」社会を実現することにつながる。
  • 人々を分断する要因となってしまっていた物理的距離や言語の違い、個人の行動範囲を制限する一因となっていた身体的な特徴や障害などを、AIやIoTといった技術を利用しながら乗り越えていかなければならない。
  • Society 5.0は『人間主体の社会』実現の手段であることを忘れてはならない。

SDGsに取り組むことで期待できること

  • 企業イメージ向上による人材確保
  • 社会課題への対応によるリスク回避と信頼獲得
  • SDGs対応が取引条件となる場合、企業の生存戦略
  • 新たなイノベーションやパートナーシップの事業機会の創出 

などが期待できます。

SDGsのゴールを意識しないとどうなるか?

  • よかれと思って実施した(しようと)ことが、実は新たな社会課題を生んでいることに気づかない(気づくのが遅れる)。
  • 実施することで二次的なドミノ効果を生み出す策を見つけられない。
  • 自社の事業が人権問題や地球温暖化、森林破壊、水質汚染に関係していることに気づかないため、企業価値がどんどん低下してしまう。
  • SDGsを学んでいない経営者、社員、職員、首長、議員の発言や行動、情報発信に対し、SDGsリテラシーの高い次世代の若者との間で分断が起きる。
  • SDGsを推進している地域、企業との競争に敗れる。

「SDGsネイティブ」と呼ばれるZ世代(10代〜20歳前後)が社会の中心となる頃に活動したのでは手遅れとなる可能性があります。

SDGsに取り組む場合の基本的な手順

一番シンプルで効果的な進め方の例示です。

SDG Compass:SDGsの企業行動指針

他社の取り組み事例をまねることについて

  • 他社の事例は、自分たちの考えをブラッシュアップすることが目的ならいいのですが、SDGs自体の理解や自社の方向性の検討を後回しにして、ただまねるだけだと必ず失敗します。
  • 他社情報の集め過ぎることはおすすめできません。
  • 基本通りにSDGsの理解から進めましょう。

SDGsを使いこなす企業が勝ち抜く

SDGsは未来の羅針盤です。

いわき商工会議所青年部がいわき市SDGs推進の旗振り役になる予感

まずは商工会議所本体の取り組みからスタート。

  1. SDGsの理解と周知
  2. SDGsマッピング(後付け→先付け)
  3. 具体的行動計画
  4. 実践活動

先ず隗より始めよ の精神

会員には進めるが。団体自体は何もしない。(変わらない)

団体あるある に陥らないと信じています。

SDGsを学ぶことは「目的」でなく「手段」

「ゴール」ではなく「新たなスタート」です。

  • SDGsに無関心であっても無関係ではいられなくなる。
  • 他人事から自分ごと化
  • SDGsはコストではなく投資

私も正しいSDGsの知識と考え方を広めていきたいです。

いわき商工会議所青年部ホームページに掲載

いわき商工会議所青年部のホームページに掲載されておりました。😄


「次年度以降もSDGsに関する勉強会を開催していきます。」と力強いお言葉😁

こちら

いわき商工会議所会報ふろんぃあ2022.3号

2月16日のSDGs勉強会が掲載されていました。
出典「いわき商工会議所会報ふろんぃあ2022.3号より」
(商工会議所ご担当者よりご許可いただきました)