こども性暴力防止法(日本版DBS)において定められた「不適切な行為」とは、その行為自体は直ちに「性暴力」等に該当するものではないものの、業務上必ずしも必要とは言えず、継続・発展することで性暴力につながる恐れがある行為を指します 1

以下に具体的な内容と位置付けを整理しました。

※ご確認のお願い

本記事は2025年12月時点の情報に基づいています。今後の法改正やガイドラインの策定により内容が変更される可能性があるため、最新情報は必ずこども家庭庁等の公式発表をご確認ください 。

1. 「不適切な行為」の具体例

ガイドライン案や「横断指針」では、以下のような行為が例示されています 。

カテゴリ具体的な行為の例
私的交流SNS連絡先の交換(LINE・ゲーム等)、休日・放課後の私的な面会、無断での自宅訪問・招待
身体接触業務外の膝乗せ・おんぶ、理由のないマッサージ、特定の児童との添い寝
密室環境用務のない密室での二人きり、不必要な1対1での車送迎
記録・撮影私物スマホでの撮影、ルール外の方法による写真・動画管理
介助・更衣陰部への不適切な接触(おむつ交換時等)、不特定多数の前での更衣
その他特定の児童への高価な金品贈与、執拗な担当希望、容姿への過度な言及

2. 現場における判断の留意点

これらの行為は一律に禁止されるのではなく、児童の年齢、発達段階、事業の特性に応じて判断されます。

  • 乳幼児への対応
    • 信頼関係構築のための膝乗せやおんぶなどは、業務の範囲内(業務として行い得る)とされる場合があります。
  • スポーツ・習い事
    • 指導上、身体接触が必要な場合は、あらかじめ保護者の理解を得るなどの透明性を確保する工夫が求められます。
  • 緊急事態
    • 災害や事故などでやむを得ず1対1の対応を行った場合は、事後に組織内で速やかに情報共有するルールを設けることが推奨されます。

3. 「不適切な行為」判明時の事業者の義務

事業者は、調査の結果「不適切な行為」があったと判断した場合、それを「児童対象性暴力等が行われるおそれ」の一種として捉え、対応を講じる必要があります。

  • 軽微・初回の場合
    • 繰り返さないよう指導を行い、研修の再受講や注意深い経過観察を実施します。
  • 重大・継続的な場合
    • 指導に従わない場合や執拗なケースでは、対象業務からの配置転換など、より厳格な措置が求められます。

結論:未然防止のために

事業者は、何が「不適切な行為」に該当するかを現場で話し合い、就業規則や服務規律に明記して、従事者・保護者と共通認識を持つことが未然防止において重要です 。

当事務所では、SDGs(目標16.2:子どもに対する暴力の根絶)の観点からも、健全な施設運営を支援しております。

労働法規に関わる最終的な整備については、提携する社会保険労務士と密に連携し、法的に隙のない体制構築をサポートいたします。

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