こんにちは。
大内法務行政書士事務所の大内です。
このたび当事務所は、中小企業家同友会全国協議会(中同協)の「同友エコ奨励賞」を、2019年・2021年・2023年に続き、四度目となる受賞をいたしました。
日々の小さな取り組みや、地域・会員企業の皆様と共に進めてきた学びと実践の積み重ねが評価されたものと受け止めております。
今回のブログでは、「同友エコ」とは何か、当事務所の受賞内容、そして他の会員の皆様にもぜひ知っていただきたいポイントについてご紹介します。

7月10日には中小企業家同友会いわき支部の定例理事会にらおいて丹野支部長から表彰状をいただきました。(恐縮です。)



御礼をかねてお話しをさせていただきました。
- 4度目受賞ができたことは、これまでやってきた活動が正しかったという確信が強く持てたこと。
- 今年から福島県環境委員長を拝命しましたが、いわき支部での活動事例を福島県全域に広めていきたい。
- 中小企業家同友会いわき支部の会員の皆様のサポートもいただきながら福島県の活動を全国に発信していきたい。
「同友エコ」とは?
「同友エコ」とは、中同協が毎年8月~12月頃に実施するアンケート事業です。
中小企業家同友会全国協議会(中同協)では、毎年(8月~12月の期間)「同友エコ」として「環境経営・エネルギーシフト・SDGs」に関するアンケートを実施しています。
環境経営に取り組む理由に、自社事業にとってリスクの低減やチャンスになるから、との回答が増えてきています。
すでに世界の金融・経済は、脱炭素と生物多様性の目標を掲げ、サーキュラーエコノミーでこれらを実現すべく動き始めています。これは「スコープ3」(サプライチェーン排出量のうち、自社事業の活動に関連する他社の排出)を通じて、中小企業にも現実の経営課題となりつつあります。
中同協は活動方針で、企業づくりの一環に環境経営の実践を掲げています。その具体的取り組みとして同友エコアンケートの回答を提唱しています。
中同協サイトより
全国の中小企業家同友会会員企業のうち、SDGsや環境経営、地域貢献の分野で優れた取り組みを行っている企業を顕彰する制度です。
主に「環境経営」「エネルギーシフト」「SDGs」に関する中小企業の取り組みを調査・共有するもので、次のような目的があります。
- 環境経営の推進とCO₂削減
- 自社の現在地と課題の明確化
- SDGsとのつながりの意識づけ
- 経営指針への反映
- 脱炭素・生物多様性への貢献
単なるアンケートではなく、自社の振り返りと気づき、次のアクションへの出発点になる「経営の羅針盤」ともいえるものです。
これまでの受賞履歴と評価ポイント
振り返りますと、初めて同友エコの奨励賞をいただいたのは5年前でした。
当時はまだ手探りの状態で「地域社会の一員として、できることから始めよう」という思いで、少しずつできることから活動をスタートしました。
その後も、福島県中小企業家同友会いわき支部の皆様からの学びや、様々な企業の経営者や社員の皆様との対話、先進的な取り組み事例に触発されながら、活動の幅を広げてまいりました。
時には方向性などで悩んだり、仕事とのバランスなどでの困難もありましたが、継続することの大切さを改めて感じています。
● 2019年(初回受賞)
同友会会員の株式会社リビングソーラー小野社長から背中を押されてSDGsへの取り組みを本格的にスタートしました。自分自身の記録も兼ねて活動内容をまとめてみましたところ、その第一歩が評価されました。
(2018-2019は投稿してませんでした。)
● 2021年(二度目の受賞)
新型コロナウイルスの中でコミュケーショーン方法が大きく変わりました。
中小企業家同友会いわき支部で2020年に立ちあげた「SDGsカーボンニュートラル推進研究グループ」でのリモート勉強会で会員向けの啓発活動や、環境委員会とのコラボ活動、SDGsや脱炭素に関する情報発信が継続的に行われていることが評価されました。
過去の受賞歴はこちら
● 2023年(三度目の受賞)
- 福島県中小企業家同友会いわき支部会員企業への伴走支援
- 地元FMにおける番組「共に進もう!中小企業家」に定例出演し、中小企業家同友会いわき支部におけるSDGs、脱炭素活動の情報発信
- SDGsカードゲーム型教育プログラムの展開(高校・自治体・企業向け)
- 地域連携(カーボンニュートラル宣言作成の支援、情報発信方法の助言とサポート)
- 事務所内の環境配慮(オール電化、LED化、FSC認証用紙など)
- SDGsを明文化した経営指針(目標8, 10, 11, 17)の作成
これらの“実践と可視化”が高く評価されたと思います。
この年には福島県中小企業家同友会環境経営大賞SDGs部門賞も受賞いたしました。


過去の受賞歴はこちら
2024.9.25中小企業家同友会全国協議会の「同友エコアンケート」についての作成方法の勉強会開催はこちら。
そして今回、四度目の受賞へ
今回の受賞は、これまでの活動の積み重ねが評価されたことに加え、地域社会全体を巻き込んだ波及効果や啓発活動がポイントとなったのかなと思っています。
具体的には
- 東北初開催「CHANGE FOR THE BLUEカードゲーム」などの海洋環境教育の実施。
- 福島県初開催「脱炭素まちづくりカレッジ」の実施。
- SDGsや脱炭素を学びの場だけで終わらせず、行動に落とし込む仕組みづくりへの挑戦。
私自身も、こうした取り組みを通じて、社会課題を多面的にとらえる感性や、俯瞰的な視点、ネットワークの広がりを得ることができました。

2024.9.25中小企業家同友会全国協議会の「同友エコアンケート」についての作成方法の勉強会開催はこちら。
なぜ大内法務行政書士事務所が受賞できたのか
特に以下の取り組みが高く評価されましたのかなと思っております。
- 継続的な環境負荷低減への取り組み
- 日常業務におけるペーパーレス化の推進、省エネルギーの徹底、リサイクル活動の実施など、「できること」「小さなこと」からコツコツと継続してきた活動。
- 脱炭素コンサルティングの実践
- 行政書士業務と並行し、中小企業のSDGs導入推進、脱炭素化支援プランを策定・実行。
- 地域連携プロジェクト
- いわき市のゼロカーボン人づくり公民連携事業に採択され、学校や市民向けにワークショップを開催。
- 福島県中小企業家同友会いわき支部会員内で、SDGs、脱炭素、カーボンニュートラルのカードゲームや講座を定期開催。
- 福島県中小企業家同友会いわき支部会員企業をはじめとする、SDGsや環活動に取り組むトップランナー企業において、定例化された社員教育を開催。とともに「Nature Positive Management」講座を定期開催。
- 啓発活動
- 福島県地球温暖化防止活動推進員として道の駅に啓発ちらしなどを掲示し環境意識を地域へ浸透。
- SDGsや環境保全に関する情報発信などを通じた地域社会への貢献。
- 自身のサイトやYouTubeチャンネルでの最新情報や活動事例を発信。
同友エコアンケートを毎年提出する意義
受賞することが目的から、自社の成長と企業価値向上の手段に。
受賞の有無にかかわらず、毎年継続的に提出することに以下のような意義があります。
- 自社の現在位置の定点観測(活動の偏り、不足している、漏れている部分が確認)
- PDCAサイクルの実践(振り返り → 改善 → アップデート → スパイラルアップ)
- 環境・経済トレンドへの対応力の向上(設問に回答することで最新情報を確認することができる)
- 組織全体の意識と士気の向上(社員のモチベーション、エンゲージメントの向上が、離職率低下、新規応募者の拡大に寄与)
- ビジネスチャンスの可能性(共通課題認識、解決策の共創活動)
- 経営体質の強化と変化対応力の向上(SDGsの社会課題への対応、シナジー効果、トレードオフの認識)
環境経営は「コスト」ではなく「未来への投資」であり、企業の羅針盤、持続可能性と直結する取り組みです。
自社のレベルアップに役立つツール
同友エコ(環境経営・エネルギーシフト・SDGs)アンケートは、
①自社の取り組みの整理
②自社の立ち位置の確認
③自社の存在意義の理解
に役立つツールとして活用できます。
- 外部発信(アウトプット)だけでなく、社員を巻き込んだ内部共有(インプット)も重要です。このアンケートを活用することで、自社実践の整理ができ、外部環境の変化にも対応できる強い企業体質構築の一助になる。
- SDGsの文脈を取り入れた実践により、世界に通用する取り組みへと進化していくことも期待。
- 経営全般に置き換えてみると、改めて同友会の経営指針(理念・10年ビジョン・方針・計画)策定の重要性も再認識。
- 経営指針にSDGsを取り込み、実践を重ねることで、環境変化にも強く、事業を永続できる企業となるステップに繋がる。
他の会員の皆様へ ~一緒に取り組みましょう~
今回の四度目の受賞は、当事務所だけでなく同友会全体の実績でもあると考えています。
他の会員企業の皆様にも、以下のような形でぜひ取り組んでいただきたいと思います。
- 企業価値向上や人材確保に直結する「環境経営」の実践
- 「他人事」から「自分事」へ:SDGs・脱炭素は今や経営の主流テーマ
- 自由記述欄を活用して取り組みを可視化・発信
- 学び合いと伴走支援の場としての同友会活用
- 地域全体の成長に貢献する視点をもって活動を進める
今年から拝命した福島県中小企業家同友会環境委員長として
このたび、福島県中小企業家同友会の環境委員長を拝命いたしました。
まずは、このような重責を担わせていただけることに感謝し、誠心誠意、務めを果たしてまいります。
環境問題やSDGs、脱炭素といったキーワードは、いまや一部の先進企業だけの話ではありません。中小企業にとっても、経営そのものに深く関わるテーマとなってきました。
その中で、同友会が展開している「同友エコ」は、私たちが地域で持続可能な経営を進めるための実践的なツールです。
同友エコ推進のための【委員長としての具体的役割】
以下のような「つなぐ」「伝える」「育てる」役割を果たしてまいります。
- 会員への啓発と巻き込み
・「同友エコとは何か?」を伝える勉強会や事例紹介の企画
・難しさではなく、身近さ・必要性を実感できる工夫
・SDGsや環境経営を「自分事」に転換する機会づくり - 各支部・委員会との連携強化
・地域や業種ごとに異なる課題やニーズを踏まえた支援
・委員会を越えた協働による「実践の場」の創出 - 事例収集・発信の仕組みづくり
・同友エコアンケートを通じた優良事例の可視化
・福島県発のモデル事例を全国へ届ける情報発信 - 伴走支援の体制づくり
・同友会ならではの「学び合い」「相談し合える関係性」 - 福島県らしいSDGsのカタチを発信
・復興・地域再生・自然との共生という地域特性を活かし、「福島だからできるSDGs経営」のモデルを構築
活動方針:「実践する環境経営の学び場を福島に」
環境委員会は、単なる啓発機関ではなく、「実践と共有」を繰り返す学び合いの場でありたいと考えています。
SDGs・ESG経営の実現に向けて、環境意識の向上と経営活動の両立を図る「ネイチャーポジティブ経営」への理解を深めるとともに、ますます重要になる環境課題への取り組みや意思表明を経営指針に組み込む際の「サポート役」として、 新たな価値創造やビジネス機会を探る学びの場を提供したいと考えています。
- 同友エコアンケート提出率の向上
提出そのものが学びと振り返りになることを伝え、提出率50%超を目標に。 - 行政サービスを有効活用した会員向け「最新情報セミナー」の開催
① 環境問題 ② ごみ問題 ③ 食品廃棄ロス ④ 生態系保護 ⑤ 再生可能エネルギーなどをテーマに、福島県生活環境部を窓口とした「SDGs✖くらしと環境」出前講座を活用します。 - SDGs・脱炭素の研修・実践機会の創出
カードゲームや現地視察、ワークショップ形式での「体感型研修」を強化します。 - その他
将来的には他委員会・行政・地域団体との対話の場を設けていけたらと考えています。
これらの活動を通じて、SDGs・ESG経営の推進に貢献してまいります。
◆ 委員長としての抱負
環境経営は、特別な企業だけが取り組むものではなく、すべての企業が取り組むべき“経営の本質”そのものです。
私自身が、これまで4度の「同友エコ奨励賞」受賞を通じて学んだことは、「環境への取り組みは、企業の在り方を根本から問い直すきっかけになる」ということです。
委員長として、
- 情報の共有
- 経験の可視化
- 仲間との学び合い
を通じて、福島から全国へ誇れる環境経営の土壌を育ててまいります。
おわりに
今回の受賞を励みに、今後もより一層、環境保全活動を推進してまいります。私たちの活動が、少しでも多くの企業様や地域社会の皆様の環境意識向上につながり、持続可能な社会の実現に貢献できれば幸いです。
また、当事務所の環境保全への取り組みは、企業価値の向上にもつながると確信しております。
環境に配慮した経営は、企業の信頼性を高め、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性を秘めています。
今後も、環境保全と業務効率化を両立させながら、より質の高いリーガルサービスを提供できるよう努めてまいります。
この度の受賞を機に、環境問題への意識を新たにし、皆様と共に持続可能な未来を築いていく所存です。引き続き、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
これからも当事務所は、「地域に根差し、未来を見据えた法務支援」を理念に、環境と経済の両立、持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。