いわき市立四倉中学校で行ったゼロカーボン教育モデル事業の実施報告。授業で用いたコンテンツや生徒の反応、地域連携の具体的な進め方を紹介します。

去る2025年12月12日、いわき市立四倉中学校にて、「ゼロカーボン教育モデル事業(ゼロカーボン授業)」を実施させていただきました

未来を担う生徒の皆さんに、エネルギーのこと、地球環境のこと、そして私たちにできることを伝える大切な機会となりました。本日はその様子をご報告します。

この活動はいわき市ゼロカーボン人づくり公民連携事業のひとつです。

いわき市ゼロカーボン人づくり公民連携事業とは

市民の脱炭素社会の実現に向けた行動変容を促すとともに、将来世代へのゼロカーボン教育を強化することを目的とした取り組みであり、官民が連携して、気候変動やカーボンニュートラルに関する普及啓発活動を実施します。

いわき市のゼロカーボン人づくり公民連携事業業務委託公募型プロポーザル株式会社リビングソーラー様が応募し採択されました。

公募テーマはこちら

  1. 気候気候変動及びカーボンニュートラルに関すること。
  2. 再生可能エネルギーに関すること。
  3. 省エネルギーに関すること。
  4. 生物多様性に関すること。

令和6年に続き2年連続で採択されました。

昨年度(2024年 令和6年度)の実績

  1. 教育モデル事業…内郷第三中学校2024.8.29
  2. カードゲーム「2050カーボンニュートラル」2024.11.24
  3. 脱炭素まちづくりカレッジカードゲーム2024.12.22

今年度(2025年 令和7年度)のこれまでの実績

  1. カードゲーム「2050カーボンニュートラル」2025.9.6
  2. 脱炭素まちづくりカレッジ 2025.11.22

四倉中学校は「我が母校」

まさかこんな形で再訪できるとは。。。とても感慨深いですねぇ。

私たちが入学時に建てられた校舎です。あれから半世紀近く経ちます。

教室、廊下、階段...すべてが当時の状況と重なりました。

教室から見える校庭、プール、バックネット、松林…。

校歌にもある「白銀の松」は既になくなっていました。

(将来的には四倉駅西口に移転する計画とのことです。)

講師とサポートスタッフ

株式会社リビングソーラー 代表取締役 小野信彦氏

株式会社リビングソーラー 常務取締役 小野智子氏

そして 私👍

講師のリビングソーラー小野社長、小野常務、私、会場サポートタッフの西塚さん。
講師のリビングソーラー小野社長、小野常務、私、会場サポートタッフの西塚さん。

サポートスタッフの西塚さんも四倉中学校のご出身とのこと。

四倉中学校でのグループワークの様子
いわき市立四倉中学校でのゼロカーボン教育出前授業の風景

いわき市立四倉中学校でのゼロカーボン授業実施報告

リビングソーラーと太陽光発電の基礎知識

まず初めに、株式会社リビングソーラー 代表取締役の小野信彦氏より、会社紹介と太陽光発電の基礎についてお話しをしました 。

リビングソーラーという社名には、「太陽の光(ソーラー)を生かした住宅と、生き生きとした(リビング)住生活を提供したい」という想いが込められていること。

詳細は 株式会社リビングソーラーの公式サイト をご覧ください こちら

授業では、太陽光発電の歴史や仕組みだけでなく、地元の強みについてもお伝えしました。 実は、いわき市(小名浜)は全国の観測所の中で22番目に日照時間が多い地域なんです 。(この恵まれた環境を生かさない手はありません。)

また、太陽光発電の良い面だけでなく、パネル廃棄の問題や、災害時の地滑りといった環境への影響など、今後の課題についても正直にお伝えし、地域との共生が必要であることを強調しました 。

気候危機と未来予測 ~2100年の地球はどうなる?~

大内政雄四倉中学校でのゼロカーボン授業の講師の様子
四倉中学校での講義の様子

続いて私より、「気候危機が起きた場合の未来予測」についてお話しいただきました 。

もしこのまま温暖化が進むとどうなるのか。

気候変動シミュレーションのスライドを使って説明

シミュレーションによると、日本の気温は20世紀末と比較して約4.5℃上昇し、東京の夏は現在の那覇を超える暑さになると予測されています 。

衝撃的なのは、気温上昇により南極、北極、氷河の融解による海面上昇によって日本の砂浜の80〜90%が消失するという予測です 。

「2030年、2050年、そして2100年、皆さんは何歳になっていますか?」 の問いかけに、生徒の皆さんもジブンゴトとして真剣に耳を傾けていました。

2100年の地球環境は、今の大人たち以上に、生徒の皆さんにとっての「現実問題」なのです 。

生徒参加型のグループワーク「家庭でできるエコ対策」

最後に、株式会社リビングソーラー常務取締役であり「うちエコ診断士」の小野智子氏より、家庭でできる具体的なアクションについてお話ししました 。

気候変動対策というと難しく聞こえるかもしれませんが、まずは「知ること」が大切です。 「うちエコ診断」を使えば、ご家庭のどこからCO2が多く排出されているか(給湯、暖房、自動車など)を「見える化」することができます。

それぞれのご家庭のライフスタイルに合わせて行う省エネ活動は、CO2削減になるだけでなく、年間数万円単位の光熱費削減につながり、浮いた時間とお金で暮らしを豊かにできる可能性があることをお伝えしました。

家庭でできる省エネ対策60項目

最後には「家庭でできるエコ対策を考えてみる」のミニワークをしていただきました。

四倉中学校でのグループワークの様子
「家庭でできるエコ対策を考えてみる」のミニワーク

グループワークで学びを深めます

話し合うこと、書くことで学習結果が大きく向上しますね。

四倉中学校でのグループワークの様子
グループワークの様子

役割を決める

  • リーダー1名
  • リーダーサポート1名
  • 発表2人
  • 質問or感想1~3名

テーマは「未来の地球のために私たちができること」


以下の3点について考えや意見を付箋に書き、その後用紙に貼ります。

  1. わかったこと・感じたこと
  2. わからなかったこと、もっと知りたいこと
  3. 自分で実施したいこと、周囲の人たちに伝えたいメッセージ

クループワークの進め方

  • 「家庭でできるエコ対策を考えてみる」のミニワークを参考にしてもよい
  • 同じ意見はひとつにまとめること。
  • 意見の多数決は取らないこと。
  • 書かない人が一人もいないようにグループ内で助け合うこと。
四倉中学校でのグループワークの様子

すべてのグループがたくさんの付箋を貼っていただきました😊

その一例です。

グループごとに発表

  • 班員が全員前に出て発表する。
  • 発表後に質問または意見を募る。

決められた時間内で発表と質問が終えることができました。

四倉中学校でのグループワークの様子
発表する生徒さんたち

「テレビの時間を減らす」「シャワーを短くする」など身近な内容が多く出されました。

まとめ:中学生と考えるゼロカーボンの未来

キーワードは「太陽光発電」「未来の地球」「家庭でできる省エネ」

家庭で話し合ってみましょう!


地球の未来にとって「いいこと」「悪いこと」って何?

今回の授業のテーマである「ゼロカーボン」は、決して遠い未来の話ではありません。

四倉中学校の皆さんと一緒に考えることができた有意義な時間でした。

いわき市環境企画課の皆様に感謝

坂本係長、大和田さんをはじめ、環境企画課の皆さまには大変お世話になりました。

事前の準備、資料のご提供、当日の会場設営と最後の最後まで細やかなサポートと作成物の情報共有は本当に助かりました。

いわき市環境企画課のサイトはこちら

四倉中学校の先生と生徒の皆様に感謝

無事に時間通りにすべてを終えられたことは、生徒の皆さんの礼儀正しさ、規律の良さが一番の要因だったと思います。

私たちのお話しを聞いている生徒さんたちを、先生が遠くから静かに全体を見渡している姿に、先生方と生徒さんとの関係性が私たちの時代とは「当然」大きく変わっているんだなぁと感じておりました。

四倉中学校のサイトに掲載されました
こちら

大内法務行政書士事務所|学校で提供可能なプログラム

カードゲームを中心とした教育プログラムを得意としています。

  1. 講義・座学
  2. カードゲーム
  3. ワークショップ~振り返り

所要時間はおおむね3時間程度です。

2コマ~3コマでおすすめしております。

いわき市環境アドバイザーとしてもご対応可能

いわき市環境アドバイザーにも登録しております。

いわき市では、市民や団体・事業者の皆さんが、環境保全に関する授業、講座、研修、観察会等を市内で開催する際に、主催者の申請に応じて、各分野の専門知識を有する「いわき市環境アドバイザー」を派遣しています(環境アドバイザーの派遣に要する謝礼や交通費をいわき市が負担します)。

実施(例) 平第一中学校

いわき市環境アドバイザー制度はこちら

カードゲームを取り入れたプログラムが効果的な理由

SDGsカードゲームが社員研修や教育の現場で有効な理由をご覧ください。
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