本日は、建設業の現場を守る経営者様、そして現場管理者の皆様へ、極めて重要な最新情報をお届けします。
令和8年1月5日、日本行政書士会連合会より、国土交通省がとりまとめた「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」に関する周知依頼がありました 。
近年の殺人的な猛暑は、もはや「気合」で乗り切れるものではありません。
本パッケージは、現場で働く技能労働者の命を守り、かつ建設業が持続可能な産業であるために、国が打ち出した具体的な支援策の総称です 。
今回は、このパッケージの概要と、経営者が今のうちに取り組むべき実務ポイントを解説します。
国土交通省サイトより
なぜ今、「猛暑対策」なのか?
国土交通省は、「夏の猛暑は今後も続く」という前提のもと、従来の働き方を抜本的に見直す必要があるとしています 。 特に重要なのは、以下の4つの柱です 。
- 猛暑期間・時間の作業回避(工期や時間の柔軟な設定)
- 効率的な施工・作業環境の改善(i-Construction 2.0や新技術の導入)
- 猛暑対策に必要な経費等の確保(熱中症対策費用の計上)
- 地方公共団体・民間発注者等への周知(官民問わず対策を進める)
これは単なる努力目標ではなく、「発注者(施主)も協力すべき事項」として明確化された点が大きなポイントです。
経営者が押さえるべき3つの実務変更点
今回のパッケージに基づき、令和8年の夏に向けた具体的なアクションとして、以下の点が推奨されています。
① 「猛暑日」を考慮した適正な工期設定
これまでは「雨天」等を考慮して工期を決めていましたが、今後は「猛暑日(WBGT値が高い日)」も「作業不能日」として考慮した工期設定が求められます 。
公共工事(直轄土木工事)では、すでに猛暑日を考慮した工期設定や、想定以上の猛暑日があった場合の工期延長・費用精算の仕組みが導入されています 。
民間工事の契約においても、この基準を参考に「適正な工期」を見積もることが重要になります 。
② 猛暑対策経費の「積み上げ計上」
「空調服」や「塩飴」などの個人対策費だけでなく、「大型扇風機」「製氷機」「休憩用テント」などの施設費用についても、現場環境改善費として計上できる仕組みが強化されています 。
令和7年度からは、これらを「積み上げ計上(実費を計算して請求)」できる運用が始まっています 。
見積書作成時に、これらの経費を漏れなく計上することが、利益確保と安全管理の両立に繋がります。
③ 変形労働時間制等の活用
猛暑の時間帯(14時〜16時など)を避けるため、早朝や夜間に作業時間をずらす「サマータイム」や、1年単位の変形労働時間制を活用し、夏場の労働時間を短縮するなどの工夫が推奨されています 。
SDGsの視点:「選ばれる建設会社」になるために
SDGs(持続可能な開発目標)の以下のゴールに直結します。
- ゴール3(すべての人に健康と福祉を): 労働者の生命・健康を守る
- ゴール8(働きがいも経済成長も): 働きやすい環境づくりと生産性向上
「猛暑対策をしっかり行っている会社」であることは、人材不足が深刻な建設業界において、若手人材や協力会社から選ばれるための強力なブランディングになります。

行政書士としてのサポート
当事務所では、今回の「猛暑対策サポートパッケージ」を踏まえた以下のご支援が可能です。
- 工事請負契約書のリーガルチェック
- 猛暑による工期延長や経費負担の条項が、自社に不利になっていないかの確認・修正案の作成。
- 発注者への説明資料作成サポート
- 適正な工期と猛暑対策経費を認めてもらうための、根拠資料(法令・ガイドラインに基づく説明書)の作成支援。
- 【提携社労士のご紹介】労務管理の専門支援
- 「1年単位の変形労働時間制」の導入や就業規則の変更など、社会保険労務士の独占業務に関わる手続きについては、信頼できる提携の社会保険労務士をスムーズにご紹介いたします。
契約・許認可(行政書士)から労務管理(社労士)まで、窓口一本で連携してサポートできる体制を整えておりますのでご安心ください。
夏が来てからでは間に合いません。
できるだけ早いうちに、社内規定や契約の雛形を見直しておきましょう。
まずはお気軽にご相談ください。

