12/26こども性暴力防止法施行準備委員会(第3回)の資料「今後の法施行までのスケジュールについて」からの引用になります。
2026年(令和8年)12月25日、子どもを性犯罪から守るための新制度「日本版DBS」がいよいよ施行されます 。
「施行はまだ先」と思われるかもしれませんが、事業者にはシステムの導入や社内体制の抜本的な見直しなど、相応の準備期間が必要です。
直前になって慌てないよう、国の示した最新スケジュールに基づき、今すぐ着手すべきアクションプランを解説します 。
こども性暴力防止法施行準備委員会(第3回)内に資料があります。
こちら
事業者が最初に着手すべきアクション
- GビズIDの確認・取得
- 就業規則・社内規定の見直し (就業規則の変更を伴う場合は社会保険労務士が担当します)
2026年12月の施行に向け、計画的に準備を進めましょう 。
日本版DBS法施行までのスケジュール
2025年12月26日に開催された「こども性暴力防止法施行準備委員会」の資料によると、今後のロードマップは以下の通りです 。
| 時期 | 国の動き(行政) | 事業者の動き(現場) |
| 2026年1月 | ガイドライン策定 | 制度開始についての従事者等への周知(犯罪事実確認の対象になる旨など)と理解促進 |
| 2026年2月以降 | 対象となる従事者範囲の検討と確定 採用過程での性犯罪前科の事前確認 性暴力、不適切な行為等の範囲の検討、服務規律への位置付け等 GビズID取得~システム登録準備 | |
| 2026年4月頃 | マニュアル・研修教材の公表 | 対象従事者の範囲検討・確定 |
| 2026年4月以降 | 全国説明会の開催 国民・事業者向け普及 啓発動画の周知 ポスター・リーフレット 周知啓発イベント | 環境・体制整備(相談窓口設置、研修、規程の整備等) 認定申請の準備等 |
| 2026年12月25日 | 法施行 | 運用開始(確認・措置の実施) |
事業者が進めるべき2つの準備
「人」への準備
まずは社内の認識統一とルールの策定です。以下の3点を進める必要があります。
- 社内への周知徹底と理解
- 制度が開始されることの説明をする。
- 制度開始に伴い従業員が「犯罪事実確認」の対象になることの理解を得る。
- 対象範囲の確定
- 自社の業務において、具体的に「誰をチェック対象にするか」を明確に決定する。
- 採用フローの構築
- 採用過程において、性犯罪前科の事前確認を行うプロセスを「新たに」組み込む必要があります 。
「仕組み」の準備 「ID取得」と「規定整備」
次に、制度を運用するための環境整備です。
- GビズIDの取得
- 義務対象事業者がシステムを利用(一括登録等)するためには、行政サービス認証システム「GビズID」のアカウントが必要です。
- 取得には審査期間を要する場合があるため、早めの申請を強く推奨します。
- 社内規定・体制の整備
- 就業規則や服務規律の中に、「性暴力等の範囲」や、万が一の際の「処分規定の明文化」が必要になります 。
- 社内に相談窓口を設置することや、研修を実施できる体制を整えます。
【重要】就業規則の見直しについて
- 本制度の導入に伴い、就業規則や懲戒規定の変更が必要となるケースが多く想定されます。(制度導入には就業規則の見直しが不可欠です。)
- 就業規則の作成・変更および労働基準監督署への届出は社会保険労務士(社労士)の独占業務です。
- 当事務所では、信頼できる提携社会保険労務士と連携し、法務(許認可・規定整備)と労務(就業規則)をワンストップでサポート可能です。
まとめ:子どもたちの未来を守るために
日本版DBSは、単なる事務手続きではなく、子どもたちが安心して過ごせる社会を作るための重要なSDGs(目標16:平和と公正をすべての人に)に関わる取り組みです。
2026年12月の施行に向け、計画的な準備を進めましょう 。
「自社は対象になるのか?」
「何から始めればいいか分からない」
という事業者様は、お早めに当事務所へご相談ください。
日本版DBS準備・簡易チェックリスト(2026年施行対応版)
本リストは、2026年12月25日の施行に向け、事業者が進めるべき準備項目を時系列でまとめたものです。
漏れがないか確認するためにご活用ください。
【フェーズ1】現状把握と方針策定(~2026年1月頃)
まずは制度の全体像を把握し、社内の認識を合わせることから始めましょう。
- □ 制度の施行日確認
- 2026年12月25日に施行されることをスケジュールに組み込みましたか?
- □ 自社の立ち位置確認
- 自社が「義務対象事業者」(学校・保育所等)か、「認定対象事業者」(学習塾・スポーツクラブ等)かを確認しましたか?
- □ 対象従事者の範囲検討
- 自社の業務において、具体的に「誰」をチェック対象(子どもと接する業務従事者)にするか検討を始めましたか?
- □ 社内周知の準備
- 従業員に対し、本制度の導入と「犯罪事実確認」の対象になる旨を説明する準備はできていますか?
【フェーズ2】システム・事務手続きの準備(2026年2月~)
国が整備するシステムを利用するための環境を整えます。
- □ GビズIDの取得
- システムへの一括登録や利用に必要な「GビズID」のアカウントを取得しましたか?
- □ システム登録準備
- 対象となる従業員のデータを整理し、システムへ登録するための準備を進めていますか?
【フェーズ3】社内規定・環境整備(2026年4月~)
マニュアル公表に合わせ、具体的なルール作りと体制構築を行います。
- □ 採用フローの再構築
- 採用面接や手続きの過程に、性犯罪前科の確認プロセスを組み込みましたか?
- □「性暴力等」の範囲と処分の明確化
- 何が不適切な行為にあたるかを定義し、違反時の処分について検討しましたか?
- □ 就業規則・服務規律の変更(※)
- 上記の定義や処分規定を、就業規則等の公式な文書に反映させましたか?
- (※就業規則の変更・届出は社会保険労務士の独占業務です。専門家へご相談ください)
- □ 安全確保措置・体制の構築
- 社内に相談窓口を設置したり、研修を実施できる体制を整えましたか?
- □ 認定申請の準備(任意事業者のみ)
- 国の認定を受けるための申請書類や要件確認を進めていますか?

