はじめに

再生可能エネルギーの利用は、地球温暖化対策に貢献するものであり、地域の未来を支える重要な取り組みです。

しかし、その一方で自然環境や景観、生活環境等への影響のほか、災害の発生が懸念されるため、そうした影響等の低減を図る必要があり、こうした背景から、いわき市では2025年10月1日より「再生可能エネルギー発電施設の適正な導入及び管理に関する条例」が施行されることとなりました。

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行政書士の立場から、この条例のポイントと事業者が注意すべき点をいかにまとめてみました。

このブログ記事は、いわき市が公開している「いわき市再生可能エネルギー発電施設の適正な導入及び管理に関する条例(手引書)」の要約に基づいて作成しており、内容については正確を期してはおりますが、最新の情報や詳細な手続きについては、必ずいわき市の担当部署にご確認ください。

  • 容には誤りが無いよう細心の注意を払っておりますが、技術上または法令解釈上など不正確な記載や誤植を含む場合があります。情報が不正確であったこと、あるいは誤植があったことなどにより⽣じたいかなる損害に関しても責任を負いません。(誤字脱字・表記間違いなどの誤りが無いように細心の注意を払っておりますが、もし誤りがあった場合には何卒ご容赦いただきますようお願い申し上げます。)
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いわき市の窓口

生活環境部 環境企画課 環境保全係
電話番号: 0246-22-7441 ファクス: 0246-22-1286

適用対象

  • 発電出力10kW以上の事業。
    • 発電出力が10kW未満の事業であっても、複数の事業が一体的なものと認められる場合は、この条例が適用されることがある。
  • FIT・FIP 認定事業
  • 発電事業者と需要者(企業)との相対取引での売電事業

適用外

  • 建築物の屋根、屋上又は壁面に設置した太陽光発電事業
  • 個人が自己の居住する土地及びその隣接地に設置する50kW未満の太陽光発電事業
  • 発電した全ての電気を事業区域又はその隣接地で、事業者自らが利用する事業
  • 洋上風力発電事業

施行期日・経過措置(附則)

  • 令和7年10 月1日から施行
    • 令和7年10月1日以降に工事に着手した事業者は全て

経過措置

令和7年9月30 日までに再エネ発電設備の設置工事に着手した者については、この条例は、適用しません。

令和7年11 月1日以降に、次に該当する事業の変更を行ったときは、速やかに、必要書類を添えて、市長に既存事業変更の届出を行う必要があります。

  • 条例施行日(令和7年10 月1日)時点の発電出力より10kW 以上増加する変更
  • 再エネ発電設備の寸法、構造及び設置場所の変更
  • その他、市長が別に定める変更

必要な手続き・届出

詳細は手引きをご確認ください。

こちら

手続きフロー

パンフレットより

(1) 事業計画概要書(工事着手90日前まで提出)


① 新規設置の場合


工事に着手する日の90 日前までに、当該事業に係る計画の概要に関する書類を作成し、必要書類を添えて、市長に提出。


② 変更の場合


変更の工事に着手する日の90 日前までに、当該事業の変更の概要に関する書類を作成し、市長に提出。

  • 事業計画概要書に記載された発電出力より10kW 以上増加する変更
  • 再エネ発電設備の寸法、構造及び設置場所の変更
  • その他、市長が別に定める変更

③ 受理した旨を事業者に文書で通知。

  • 手続きの完了後に、事業者は説明会を実施するよう努める。
  • 農地転用許可申請がある物件、小規模林地開発計画書、伐採届出がある物件はそれぞれの担当部署にご確認ください。

(2) 説明会(住民への周知・意見聴取・報告)


① 工事の着手の届出を行う前に説明会を開催する。


② 説明会の開催にあたっては、開催の日の2週間前までに、次のいずれかの方法で周知を行う。


投函又は戸別訪問による ❶書面の配布  ❷回覧 ❸広報いわきへの広告掲載 のいずれか。


③ 定義にある「地域住民等」

  • 事業区域が所在する区域を管轄する地縁による団体(いわゆる区や自治会)の範囲内に居住する個人はもとより、区域内の法人その他の団体を包含。
  • 範囲に含まれない住民等が説明会に参加することを排除する趣旨の規定ではない。


④ 意見の聴取・回答

説明会の開催の日から2週間以上の期間を定めて、事業に係る地域住民等の意見を聴取し、当該意見に対する回答を行う。


⑤ 説明会の報告

工事の着手の届出を行う前に、当該説明会の報告書を作成し、地域住民等の意見への回答の書類を添えて、市長に提出する。

(3) 三者協定(市・事業者・住民代表、必要に応じて)


工事の着手日より前に、事業者、市、地域住民等の代表者(区長)との間で、事業の運用管理に係る三者協定を締結するよう努める。


① 環境影響評価法又は福島県環境影響評価条例の対象となる規模の事業 (太陽光は20MW 以上、風力は7MW 以上)
② 締結が必要と市長が認める事業

(4) 工事関連届出(着手・変更・中止・再開・完了)


① 工事着手届


工事に着手する日の30 日前までに、必要書類を添えて、市長に工事着手の届出を行う。


② 本条例でいう工事とは


再エネ発電設備本体の設置に係る作業に限定するものではなく、再エネ発電設備の設置のために必要となる造成等の土木工事、立木竹の伐採、取り付け道路等の設置等の前段階となる工事一式を含む。


※ 農地転用許可申請、小規模林地開発届が必要な場合には、工事の対象範囲や定義(解釈)が異なる可能性がありますので、事前に農業委員会や林務課、環境企画課双方と協議をしておくことをおすすめします。


③ 工事変更届

  • 変更の工事に着手する日の30 日前までに、必要書類を添えて、市長に工事変更の届出を行う。
  • 「事業の変更」とは、工事着手届において届け出た事項のうち、施設の仕様等であって次の掲げるものを変更する場合を示し、同様に届出を行うようにするもの。
  • 事業計画概要書に記載された発電出力より10kW 以上増加する変更
  • 再エネ発電設備の寸法、構造及び設置場所の変更
  • その他、市長が別に定める変更

④ 工事完了届

  • 事業者は、工事を完了したときは、速やかに、市長に工事完了の届出を行う。
  • 工事完了届出後、市で、工事着手届出の内容に適合しているか確認。
  • 工事の「完了」とは、制御機器類の操作により容易に事業を開始可能な段階に至ったことを指し、完了後においては、市は施工内容と条例の届出との整合性を確認する。
  • なお、市長が行う「確認」は、あくまで ①工事着手届出又は ②工事変更届出に適合しているかを確認するものであり、当該届出以外の項目について適否を審査するものではない。

(5) 氏名変更・承継届

説明を省略します。


(6) 事業終了届・撤去完了届

① 事業終了届

  • 事業者は、事業区域内の全ての再エネ発電設備の発電を終了したときは、速やかに、市長に事業終了の届出を行う。
  • 発電の「終了」とは、再エネ発電設備による発電をとりやめ、今後発電を行わない状態。


② 撤去完了届

  • 事業区域内の全ての再エネ発電設備の撤去を完了したときは、速やかに市長に撤去完了の届出を行う。
  • 再エネ発電設備の撤去の「完了」とは、設置された工作物のみならず、工作物の基礎や付帯設備、事業区域に設置された柵その他管理に必要な工作物等の全てが撤去された状態。
  • 市による現地確認等の結果、撤去後なお事業区域内に残置されているものがある場合は、撤去が未完了であるとし、速やかに残置物の処分を促すものとし、必要に応じて関係部署と連携して残置物の適正な処分に係る指導を行う。

まとめ

令和7年10月から施行される本条例は、地域と共生する再エネ事業を進める上で重要なルールです。

これらの手続きは、事業者と地域住民が良好な関係を築き、トラブルを未然に防ぐために非常に重要です。手続きを怠ると、市による勧告の対象となる場合があります 。

また、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(再エネ特措法)にも、認定事業者の義務や改善命令、罰則に関する規定があります。報告をせず虚偽の報告をしたり、検査を拒否したりした場合は、30万円以下の罰金が科せられる場合がありますので、注意が必要です 。


「知らなかった」「手続きを忘れていた」という理由で事業が停滞することのないよう、早めの準備と専門家への相談をおすすめします。

大内法務行政書士事務所は、福島県いわき市を拠点に再生可能エネルギー事業の法務サポートを行っています。
地域の皆様と事業者の架け橋として、安心・確実な手続きをご一緒に進めてまいります。

お気軽にご相談ください。

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