環境問題は、いまや企業経営に欠かせないテーマとなっています。
このたび福島県中小企業家同友会環境委員会では、環境省職員を講師に迎え、中小企業経営者向けの特別講座を企画いたしました。
今回のテーマは 「ネイチャーポジティブ経営のススメ」
環境委員長を拝命して最初の企画です。
「自然資源を守りながら企業活動を発展させる」新たな経営視点について、国の最新動向や具体的なアクションを交えながら学ぶ機会です。
講座のねらい
- 経営者・自治体関係者の環境経営に関する理解促進
- 地域における持続可能な発展に向けた連携強化
- 国の最新施策動向を踏まえた実務的示唆の獲得
講座の概要
- 日 時: 2025年9月17日(水) 17:00~19:00
- 会 場: 福島同友会本部事務所
- 講 師: 相澤 あゆみ 氏
環境省 東北地方環境事務所 国立公園課 地域生物多様性増進室 自然環境調整専門官

わかりやすい言葉と資料を使ってお話しいただきました。
講師の相澤あゆみ先生からは、国際的な動向から中小企業でも取り組める具体的な実践まで幅広いご示唆をいただき、大変有意義な時間となりました。
また相澤先生と福島県中小企業家同友会をおつなぎくださった東北大学永島先生には心から感謝申し上げます。

いわき市のお話しも…
福島県では、生物多様性地域戦略があるのは福島県といわき市のみだと聞き驚きました。早速調べた内容です。
こちらの窓口はいつもお世話になっている生活環境部環境企画課さんでした。
こちらから見ることができました。

初めてのテーマでもあり参加者が集まるかの不安もありましたが、多くの皆さまにご参加いただきホッとしました。
一方で、当日の通信環境に不手際があり、一部の皆さまにご不便をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。
今後はより円滑な運営を徹底してまいります。
講座後の質疑ほか
講座中はご参加の皆さまから大変前向きなご意見を多数いただきました。
- 山を所有している経営者の方が、この仕組みの認定を受けるとすると、山に木を植林するだけでも可能なのか?
- 自然共生サイトを認定することによる経済的メリットを教えて欲しい。
- 環境と言えば、CO2の事ばかりだったので、生物の多様性というアプローチはとても興味深く聞いていた。今回とても参考になります。
相澤先生より
- 自然については、自然保護といった保護する対象というだけではなく、経済活動に密接につながっているので、ネイチャーポジティブの概念を活用してビジネスに生かして欲しい。
- 自然共生サイトは、東京や大阪といった大都市程、事例が多い。自然が少ないからこその認定活動につながっているように感じている。
- 一方東北では自然が豊かだからこそ、自然を活用してその恩恵を受けるという単純な活動を官民合同で取り組んでいきたい。
参加者からのアンケートの一部
- 初めて聞く言葉や内容が盛りだくさんでした。自分の知らない中で様々な活動をされているのだなと思いました。気候変動の中、一人ひとりの意識の持ち方が大切だと思い、私も目を向けたいと思います。
- ネイチャーポジティブの実現に向けては、まず周知が大切であると感じました。我々、個人個人が小さな活動を続けることが実現のカギになると思います。
- ネイチャーポジティブ→社会変革をしなければならない。出来る所から進めて行ければと思います。
- 30 by 30認定の道筋が分かってきたので大変良かった。
- 企業に対して賛同を得られるためにはメリット(営利的な内容)を伝えることが重要ではと思いました。SDGsにおいても国連で認証されたことは一般に普及するまで時間がかかったように思えますがピクトサインなど作って分かりやすく伝えることが大切と感じました。
- 分かりやすい説明で大変勉強になりました。自社の活動に落し込み、小さな事から始めてみようと思います。ありがとうございました。
- 自分自身の事業は直接環境に関連する事業ではありませんが、そのような事業者であっても、まずは、地域に根付いて活動する者として自然共生活動を意識することが重要だと理解しました。どのようにネイチャーポジティブに関わっていけるのか、他人事ではなく自ら考えて行動することが必要だと感じました。
- 「ネイチャーポジティブ経営」という新しい言葉の意味がおおむね納得できる講話でした。弊社でも登録が出来るよう、今後の経営を進めていきたいと思います。
最後に
新たな学びのテーマのやりとりもあり、第2弾の開催についても検討を進める考えでおります。
相澤氏より関連情報の提供がありました
本日お話しいただきました内容について、ご参考になる情報とのことです。




「生物多様性民間参画ガイドライン(第3版)-ネイチャーポジティブ経営に向けて-」の公表について | 報道発表資料 | 環境省