福島県中小企業家同友会渡辺代表理事、いわき支部丹野支部長、立川副支部長も参加くださいました。
冒頭、6月26日開催の中同協広島同友会主催環境経営交流会in広島の参加報告に続き、中小企業家同友会とSDGsについてのお話しをさせていただきました。
中小企業家同友会とSDGs
中小企業家同友会の活動や理念は、SDGsの目指す社会像と多くの点で重なっています。
「人を生かす経営」「地域社会との連携」「経営指針へのSDGs反映」「学び合いと実践」の4つの観点から、同友会はSDGsと非常に高い親和性を持っているといえます。
- 「人を生かす経営」とSDGsの共通点
「人を生かす経営」「労使見解や経営指針の実践」は、SDGsの「誰一人取り残さない」精神と一致、目標8「働きがいも経済成長も」目標5「ジェンダー平等を実現しよう」と重なる。 - 地域社会との連携
SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」や目標13「気候変動に具体的な対策を」と親和性。 - 経営指針やビジョンに反映
経営指針や10年ビジョンの中に「SDGs」「脱炭素」「カーボンニュートラル」などの考え方を取り入れ、SDGsの目標と自社の強みや理念を紐づけ、経営に落とし込む取り組み。 - 学び合い・実践・
SDGsに関する学びの場や情報交換の場、実践事例を共有し合い、SDGsの裾野が広がっている。

SDGs de 地方創生カードゲームとは

「SDGs de 地方創生」は、SDGsの考え方をヒントに、地方創生における「全体性」や「対話と協働」の重要性を体感的に学べるカードゲームです。
日本各地の自治体や、ソーシャルセクターの具体的なアクションを題材に、多様なプロジェクトの実行を通じて持続可能な地域のつくり方を理解するゲーム型プログラムに参加。
ゲーム中の学びから地方創生がうまくいくケースとそうでないケースの間にある違いは何かを考え、その上で「今、何が可能か?」という問いと向き合い、参加者一人一人が行動変容を起こすきっかけを提供します。
SDGs と地方創生の考え方を学び、2030年までの10年間のまちづくりをリアルに体験・シミュレーションできるゲームがSDGs de 地方創生です。
イントロ
- SDGsとは?
- SDGsの背景にあること…世界と日本の状況
- 日本におけるSDGsの取り組み
- 地方創生とは?



ゲームの様子







中盤までは自分の目標だけに集中して行動している方が多かったようです。
最終版はマチ全体の発展につなげようと、全体が一致して協力し合うやり取りがいたるところで行われていました。
ゲームの結果

- 人 口...(スタート時) 5 → 6 (最終結果)
- 経 済... 5 → 10
- 環 境... 5 → 8
- 暮らし... 5 → 10
- 達成チーム数 10チーム中8チーム
第4ターンの最初に人口増加のプロジェクトが「複数」実施されました。
その結果、一気に経済、環境、暮らしのメーターにとってプラスになるプロジェクトが相次いで実施される好循環に。
中小企業家同友会の持つ「学びのポテンシャル」はすさまじいものでした。

振り返りワーク

参加者の感想
◆一番印象に残ったこと◆
- 人口が減少しないことが大変大事だということ。
- 人口減少をまず食い止めなければ、経済環境が良くならない。
- 必要なメーターの中で人口が減らないうちに対策が必要。お金は回すことが大事。
- 自社の達成条件だけ考えて行動して選択すると、人口・経済・環境・暮らしが減る場合がある。
- 人口が減れば何も出来なくなる。増やすことが経済にも暮らしにもプラス。
- 最初のターンでマイナススタートだったのが、皆の協力により最終的にプラスになれたこと。
◆現実世界でも起きていたり、似たようなケースがある事例◆
- 現実世界でも人材の採用が厳しくなっている。
- 地方の人口流出が多いので過疎化になっている農村が多くなっている。
- 経済と人口の関係は同じ。
- 人口が減少すると経済。環境、暮らしが上手くいかなくなることが、会社も社員数が減少すると売上利益が確保しにくくなる。
- 良い事だと思ってやったことが、何もプラスにならず、むしろマイナスに。
◆現実世界でまちを良くするために、自分たちが行動すべきこと◆
- 小さなことでも良いと思うことを積み重ねていく。
- 結婚件数を多くするための努力を考えていく。
- 立ち止まらず動くこと、何もしなければ人は減っていく。
- SDGsを理解して、行政や人的資源、お金を上手く活用して行動する必要がある。
- 地域コミュニティーの重要性!
- 自分の目標にのみすると全体がマイナスになるが、本当に必要なことに気付いて行動することで、良い結果に繫がる。






事務局A氏 からの感想
「SDGs de 地方創生カードゲーム」に複数回目の参加を通じて、持続可能な地域づくりの主役は行政や企業だけでなく、地域に関わるすべての人々だと改めて実感しました。
これまでは、人口減少という課題に対し、関係者が本格的に連携を始める頃には時間切れになるケースが多く見られました。
しかし今回は、同友会で築いてきた関係性が土台となって、初動の遅れを補い成果を出せたことが印象的でした。
SDGsの理念に照らすと、参加者全員が主体性を持ち、共通の課題意識を共有し、各自の強みを活かして連携する、17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」の意義そのものだったと思います。
近年はSDGsの理念に逆行する動きも多く懸念されますが、こうした実践の中にこそ希望があると改めて感じました。