2026年(令和8年)1月1日、改正行政書士法が施行されました。施行から約3週間が経過しましたが、現場では依然として「何がアウトで、何がセーフか」の混乱が続いています。

今回の改正の核心は、「報酬」の解釈の厳格化と、法人に対する「両罰規定」の導入です。

各業界が直面している具体的なリスクと、今すぐ取るべき対策をFAQ形式で解説してみようと思います。

自動車販売・整備業界

Q:車両販売時の「登録代行手数料」として費用をいただき、自社で書類作成しても良いですか?

A:原則として「違法(行政書士法違反)」です。

  • 改正法により、「名目を問わず、実質的に対価性があれば報酬とみなす」ことが明文化されました。
  • サービスの一環として諸費用に含めていても、無資格者が作成すれば処罰の対象となり得ます。

Q:顧客から委任状をもらっていれば、従業員が作成しても良いはずでは?

A:いいえ、作成できません。

  • 委任状はあくまで手続きの代理権を証明するもので、資格不要を意味するものではありません。
  • 無資格の従業員ができるのは、完成した書類を届ける「使者」の業務までです。

補助金・経営コンサルティング業界

Q:コンサル料の中で、補助金の申請書を代行作成できますか?

A:書類の「作成」まで踏み込むと、極めて高い違法リスクがあります。

  • 今回の改正は、コロナ禍以降に急増した「無資格コンサルによる不適切な申請」を根絶する狙いがあります。

Q:顧客のIDとパスワードを預かって、代わりにオンライン申請をするのは?

人材紹介・外国人雇用支援業界

Q:支援委託費の中で、在留資格の申請書類を代行作成できますか?

A:行政書士法違反となります。

  • 在留資格申請は、申請取次行政書士等の独占業務です。
  • 人材紹介業務の付随業務として扱うにはリスクが大きすぎます。
  • 社内に行政書士を配置するか、外部専門家との適正な連携が不可欠です。

不動産業界

Q:管理物件のテナントのために、飲食店営業許可を無料で作成してあげても良いですか?

A:管理料(顧問料)が発生している場合、実質的な報酬とみなされます。

  • 「無料でサービスしている」つもりでも、継続的な取引関係の中では対価性が認められる可能性が高いです。

その他

Q:従業員が勝手に行った無資格業務で、会社(法人)も罰せられますか?

A:はい、罰せられます(両罰規定)。

  • 改正により両罰規定の適用範囲が拡大し、従業員が業務制限違反などを行った場合、その個人だけでなく法人に対しても最大100万円の罰金刑が科される可能性があります。

Q:障害福祉の「指定申請コンサル」に書類作成を頼んでも大丈夫ですか?

  A:行政書士資格がないコンサルタントへの有償依頼は違法です。

  • 報酬には「会費」や「支援費」といった名目も含まれるため、無資格者が作成した書類で申請を行うと、後に指定取り消しや過誤返還などの重大なトラブルに発展するリスクがあります。

Q:運送業の許可申請で、トラック販売店が「サービス」で図面を引くのは?

A:有償の車両販売とセットであれば、実質的な「報酬」を得ているとみなされるリスクが極めて高いです。

営利法人が重い事務コストを完全に無償で負担し続けることは経済合理性に欠けると判断され、当局から厳しくチェックされる対象となります。

貴社の「信頼」を守るための3ステップ

  • 現状の棚卸し:
    • 官公署に提出する書類のうち、社内で作成しているものをすべてリストアップする。
  • 業務スキームの再構築:
    • 「作成は行政書士、コンサルティングは自社」という、法令に則った役割分担を契約書レベルで明確にする。
  • コンプライアンスのSDGs化:

行政書士・SDGsコンサルタントからのメッセージ

コンプライアンスの欠如は、一瞬にして企業の歴史を終わらせるリスクを持ちます。

一方、正しく法を遵守することは、取引先や顧客からの絶大な「信頼」につながります。

「業務スキーム・リーガルチェック」実施中

貴社の現在の契約書や請求名目、業務フローが改正法に抵触していないか、行政書士・SDGsコンサルタントの視点から無料で簡易診断いたします。

「知らぬ間の違法のリスク」が発覚する前に、まずは現状を整理してみませんか?

「今の業務フローは法的に大丈夫か?」

という診断から、法令遵守に基づいた新しいビジネスモデルの構築まで、当事務所が全力でサポートします。

※個別具体的な判断については、当事務所へ個別にご相談ください

免責事項

  1. 情報の正確性について
    本記事の内容は、2026年1月時点の「行政書士法」および関連法令、公表されている指針等に基づき、細心の注意を払って作成しております。しかしながら、法令の解釈や運用は行政庁や時期によって異なる場合があり、その完全性や正確性を永久に保証するものではありません。
  2. 法的助言の否定
    本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の個別案件に対する法的助言(リーガルアドバイス)を構成するものではありません。個別の事案については、必ず当事務所または管轄の行政窓口、その他の専門家にご相談ください。
  3. 責任の限定
    本記事に掲載された情報を用いて利用者が行った一切の行為、およびそれによって生じた損害(直接・間接を問いません)について、当事務所は一切の責任を負いかねます。情報の利用は、利用者自身の判断と責任において行ってください。
  4. 内容の変更・削除
    本記事の内容は、予告なしに変更または削除されることがあります。また、時間の経過により掲載情報が最新の法令・実務と合致しなくなる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
  5. 著作権について
    本記事の著作権は大内法務行政書士事務所に帰属します。無断での転載、複製、配布、改ざん等は固く禁じます。引用を行う際は、著作権法に基づき適正な範囲で引用元を明記してください。