こんにちは。SDGs導入推進コンサルタントの大内政雄です。
今回は、自宅の法面(斜面)で除草した草をゴミとして捨てず、その場で「草マルチ」として活用したみた方法とその効果についてお話しします。


出したゴミ袋は「ゼロ」
草マルチって何?
草マルチとは、除草した草を法面の土壌表面に敷き詰めて、土を守りながら雑草の発生を抑制する自然由来のマルチング(覆い)です。ゴミとして処分する代わりに活用することで、多くの環境・経済的メリットが得られます。
草マルチの主な効果
法面、庭、家庭菜園での効果をまとめてみました。
1. 雑草の抑制
草マルチを敷くことで、雑草の種が土に触れにくくなり、太陽光も遮られて雑草の成長が妨げられます。そのため、雑草の発生を大幅に減らし、草むしりの手間も軽減します。
2. 土壌の保湿・乾燥防止
マルチが土の水分蒸発を防ぎ、土壌を潤いある状態に保ちます。特に夏場や乾燥しやすい斜面で効果的で、植物の根の健康を守ります。
3. 土壌の温度安定化
地表の温度変動を緩和し、植物の根が安定して成長しやすい環境をつくります。
4. 土壌の肥沃化
草が時間をかけて分解され、有機物となって土に栄養を与えます。土壌の質が向上し、植栽の育ちも良くなります。
ゴミにしない選択が、温室効果ガスの削減につながる
刈った草を「草マルチ」としてその場で活用することには、もうひとつ大きな意味があります。
それは、温室効果ガスの排出を減らせるということです。
なぜ温室効果ガスが減るの?
通常、家庭で出た草などの生ごみや剪定ごみは、
- ビニール袋に入れて
- ごみとして回収され
- トラックで運搬され
- 焼却施設で燃やされる
というプロセスをたどります。
この運搬や焼却の過程でCO₂(温室効果ガス)が発生します。
とくに水分の多い草は焼却にエネルギーが多く必要で、効率が悪いという面もあります。
その草をその場で再利用するだけで、
- ゴミ袋を使わずにすみ
- ごみ収集車の燃料も減り
- 焼却時のCO₂排出もゼロに
なります。
土砂流出も防げるという副次的な効果
草マルチには「雑草抑制」「保湿」「土壌改良」などの効果が知られていますが、実はもうひとつ大きなメリットがあります。
それが、「土砂流出の抑制」です。
斜面や法面に草を敷いておくことで、雨が降った際に土がむき出しにならず、表土が雨水に直接削られるのを防ぐ役割を果たしてくれます。
特に短時間に激しい雨が降るようになった最近の気候では、こうした自然のクッションはとても大切です。
草をそのままにしておくだけで、
- 地面が安定する
- 排水溝の土砂詰まりが減る
- 周囲の環境保全にもつながる
といった好循環が生まれるのは、ちょっとした驚きでもあります。
小さな実践が、未来を変える
このような自然の循環を活かした取り組みは、**「陸の豊かさも守ろう(SDG15)」や「つくる責任・つかう責任(SDG12)」**に通じるものです。
刈った草を「ただのゴミ」として捨てるのではなく、「資源」として活かすことが、持続可能な暮らしの第一歩。
ぜひ、皆さんも身近な環境で“草マルチ”を取り入れてみませんか?