2026年2月27日、郡山市市民活動サポートセンター主催の「市民協働まちづくり塾(応用編・第3回)」に参加いたしました 。
(運営受託は特定非営利活動法人ふくしまNPOネットワーク)
今回のテーマは「学校を巻き込む」。
ゲスト講師は、私が福島県地球温暖化防止活動推進員として日頃から尊敬している、東北地方ESD活動支援センターの齋藤修一氏(前・只見町教育長)です 。
- 令和元年5月には、教育への多大な貢献が認められ「瑞宝双光章」を受章され、天皇陛下に拝謁されています 。
- 県内の小学校教諭を経て、県教育庁の管理主事や総括参事、只見町教育長(8年間)を歴任されました 。
- 現在はESD/ユネスコスクール・東北コンソーシアム副会長などの要職を務められ、まさに東北におけるESD(持続可能な開発のための教育)の第一人者です 。
地域と学校が連携した「持続可能なまちづくり」について熱いお話を伺いました。

■ なぜ、行政書士事務所が「学校教育」に注目するのか
当事務所がこの塾に参加した背景には、明確な目的があります 。
私たちはこれまで、福島県内の小・中・高校でSDGsや脱炭素をテーマにしたワークショップを行ってきました 。
その中で、「将来は地元の公務員になって地域に貢献したい」と目を輝かせる高校生に出会いました 。
彼らの志を単なる夢で終わらせないために、大人の社会や行政がどのような「受け皿」を用意すべきか 。
そのヒントを、地域と学校を繋いできた齋藤氏の知見から学びたいと考えました。
齋藤氏が説く「ESD」の本質と、子どもたちが変容する仕組み
齋藤氏は、町教育長時代に直面した「23年後には人口が50%以上減少する」という極めて厳しい現状を振り返り、地域存続への強い危機感を語られました 。
「消滅可能性都市」と人口集中の加速
現在、地方から都市部への人口集中(ブラックホール化)が止まらず、多くの自治体が「消滅可能性都市」としてのリスクを抱えています 。
齋藤氏は、このままでは地域社会そのものが維持できなくなるという現実から、教育のあり方を根底から見直す「ESD」の重要性に辿り着いたといいます 。
教育のパラダイムシフト
これまでの教育は、往々にして「優秀な人材を育て、都市部へと送り出す」という側面がありました。
しかし、齋藤氏が提唱するのは、学んだことを地域社会のために活かす「貢献型・社会変革型」への転換です 。
- 自己完結型からの脱却:
- ただ知識を得るだけでなく、その知識をどう地域に還元するかをセットで考える 。
- 持続可能な社会の創り手:
- 次期学習指導要領にも明記されているこの概念を、地域のリアルな課題解決を通じて育む 。
意欲を呼び起こす「学びの3ステップ」
以下のサイクルを重視することで、子どもたちの主体性が引き出されます 。
- ①知る:地域の現状や課題をデータや体験で理解する。
- ②気づく(自分事化):課題が自分たちの生活にどう関わるかを発見する。
- ③行動する:解決に向けたアクションを起こす。
「行動」が生んだ具体的な実践例
県内各地で子どもたちが地域課題に触れ、実際に行動に移した事例が紹介されました 。
- 町議会への提案:町の課題を調査し、自分たちに必要な取り組みを直接、町議会へ提案 。
- 資源回収への参画:ごみの現状を学んだ子どもたちが、PTA資源回収に自ら積極的に参加 。
- 伝統文化の継承と発信:伝統工芸品を学び、地域行事への出品や他校とのオンライン交流を実施 。
「行動する」という意識を持つことで、子どもたちの学習意欲は確実に深まる 。
この齋藤氏の言葉は、次世代を育む現場の希望そのものでした。
当事務所の実績と今後の展望
齋藤氏が強調された「自分事化」と「行動」は、当事務所の活動実績とも深く共鳴します 。
■ 地域の未来をシミュレーションする
- 南会津高校・会津西陵高校:
- 「SDGs de 地方創生カードゲーム」を実施。行政や市民など異なる役割を体験することで、対話の重要性や持続可能なまちづくりの難しさと面白さを実感してもらいました。
■ 脱炭素社会への「行動」を促す教育
- 内郷第三中学校・四倉中学校(いわき市ゼロカーボン人づくり公民連携事業):
- 脱炭素教育の講師として登壇。地球規模の課題をローカルな視点に落とし込み、自分たちが明日からできるアクションを共に考えました 。
■ 資源の循環をゲームで学ぶ
- 平第一中学校(いわき市環境アドバイザー事業):
- 「ゲット・ザ・ポイント」ゲームを実施。資源には限りがあること、そして持続可能な社会のためには「賢い選択」が必要であることを、対話を通じて学びました。
次期学習指導要領でも「持続可能な社会の創り手」の育成が明記されています 。これからの課題は、子どもたちの自由なアイデアを、地域の大人たちがどう受け止め、実際の仕組み(制度)に繋げていけるかです 。
■行政書士が「教育・コンサルティング」に取り組む理由
よく「なぜ行政書士がワークショップを?」というご質問をいただきます。
行政書士の本分は、官公署に提出する書類の作成や、権利義務・事実証明に関する手続きを通じて、社会のルールや制度設計を支えることです。
SDGsが目指す「持続可能な社会」もまた、単なる理念に留まらず、具体的な地域のルールや仕組み、あるいは企業の経営指針として社会に実装されなければなりません。
当事務所では、行政書士本来の知見である「法務・制度設計」の視点と、次世代を育む「教育」の視点の両面からアプローチしています。
ワークショップで生まれた子どもたちの自由なアイデアを、大人の社会がどう受け止め、どのような行政手続きや地域経営の仕組み(制度)に落とし込んでいくのか。
私たちは、単なる「気づき」を提供する講師ではなく、そのアイデアを社会実装へと繋ぐ「制度の専門家」として、地域・学校・生徒の皆様に寄り添い続けます。
地域・学校・生徒を繋ぐ「伴走者」として
私たち大内法務行政書士事務所も、SDGsや脱炭素の啓発活動を通じて、子どもたちが社会の一員として堂々と行動していけるよう、地域・学校・生徒を繋ぐ「伴走者」として活動を続けてまいります 。
今回のまちづくり塾を通じて、私たちのこれまでの活動が間違っていなかったと再確認すると同時に、さらに多くの「行動する若者」を支えていきたいと意を強くしました。
学校現場でのSDGs教育や主権者教育、カードゲームを活用したワークショップをお探しの先生方、ぜひお気軽にご相談ください。

